Special Issue

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物がたりのはじまり

ハウス オブ ロータス――蓮の花の家。 私の名前「かれん」に「花蓮」という漢字をあててくださったのは、小学校の担任の先生でした。蓮の花は、私にとって最も身近な花。今から15年前、それまで家族で住んでいた元麻布の洋館にセレクトショップをオープンすることになったときに、自然と「ハウス オブ ロータス」という名前が心に浮かびました。  ショップを始めることになったのは、なによりも、その古い洋館と出合い、離れがたかったから、というほかにありません。  当時で築80年は経っていたでしょうか。昭和初期に建てられた美しい洋館に私たち家族は8年間ほど住み、そこで次女と三女が生まれました。そうするうちに、写真家である夫の仕事のこともあり、近くにスタジオを併設した家を新築して引っ越すことになったのです。しかし、私たちが離れてしまうと、古い洋館は建て直しのため壊されてしまうかもしれない……。そうだ、もともと好きだった世界の工芸品やインテリア、アンティークなどを紹介する場所にして家賃を賄うことができれば、維持できるんじゃないかな、と思ったのです。  お店を経営したこともありませんし、販売の経験もありません。それなのに、誰にも相談せずに、たった一人で「はじめよう」と決めたのですから、今から思えば無謀な気もします。でも、不思議と不安には思わなかったんですよね。もちろん夫には話をしたんですけど「まあ、いいんじゃない」と、さらり(笑)。 * * * 写真:雑誌 「ROSALBA」 2009年7月号より抜粋read more...