Special Issue

ハウス オブ ロータス 青山店では9月12日(日)まで、モロッコの伝統工芸品を扱う Fatima Morocco(ファティマ モロッコ)のポップアップ ”Essence of Morocco”を開催中です。モロッコの文化や風土、旅のおもしろさについて、Fatima Moroccoのディレクター・大原真樹さんと語り合いました。
かれん 真樹さんとは、モロッコへ買い付けの旅をご一緒しましたよね。あれは3年ほど前?

大原さん 2018年ですね。かれんさんの娘さんたちもご一緒で、彼女たちが美しくて、街を歩いているだけで、「可愛い!」「可愛い!」と男の子たちが寄ってくるから、追っ払うのに大変でした(笑)。
真樹さんと娘たち
かれん その節は大変お世話になりました。エッサウィラという大西洋に面した海辺の街にも足を延ばして、本当に楽しかったです。真樹さんは、モロッコに通うようになってどれくらいになりますか?

真樹 21年になります。コロナ禍の前は、年に6回、年間100日間ほどモロッコで過ごしていました。20代のころ、アパレルメーカーで働いていて、担当していたブランドのショップの内装がモロッコをイメージしたインテリアだったことがすべてのはじまりです。それでモロッコに憧れるようになったのですが、当時はまだモロッコに関する本もあまりなくて、地球儀で国の場所を知るくらい。バイヤーの先輩が仕入れたバブーシュや絨毯を、その独特の匂いを消すために、お天気がいい日はお店の外に並べて干していたのが懐かしい思い出です。モロッコに行きたくて、行きたくて、ずっと思いを馳せていたのですが、ようやく行けたのが2000年。36歳のときでした。
エッサウィラのスークにて
かれん その初めての旅で一気に魅了されたわけですね。

大原 1回では全然足りなくて、また半年後に行って、次もまた半年後に…という旅を数年間繰り返して、40歳の記念に、ひとりで1か月かけてモロッコを周りました。そのときに、こんなに好きだったら、もう仕事にしようと決めたのです。
Les Jardins de Skouraにて ⒸFatima Morocco
かれん ひとりで! すごいです! 私が初めてモロッコに行ったのは22歳のころ。母が妹弟と一緒に連れていってくれた家族卒業世界旅行のときです。最初はカサブランカに入って、マラケシュに行って、ドライバーさん付きの車を貸し切って、周遊しました。ラバトに行って、フェズに行って、ベルベル人がいる山岳地帯にも行って…。モロッコって、砂漠の国というイメージがあると思うのですが、海辺のリゾートもあるし、山には雪も降るし、いろんな表情があるのが魅力ですよね。
ⒸFatima Morocco
大原 本当に風光明媚な国で四季もあります。マラケシュから行くと、モロッコを縦断するアトラス山脈を越えるか越えないかで風土が変わります。越える手前は、野菜もたくさん育つ緑豊かな土地ですが、越えた向こうは、茶色の砂漠の世界です。
Atlas Mountains ⒸFatima Morocco
Merzouga ⒸFatima Morocco
かれん フランス領だったところもあるので、街には素敵なカフェやおしゃれなレストランもあります。一方で、民族衣装を着ているおじさんや、顔を隠している女性たちが歩いている。都会的なものと土着的なもののバランスがおもしろい国ですよね。イスラム教の国なので、みなさんお酒は飲まなくて、男の人たちがミントティを飲みながら、カフェでずっとおしゃべりとしている姿もなんだかかわいらしくて。

大原 5時間くらいカフェでおしゃべりしてますよね(笑)。イスラム教では朝の5時くらいから1日5回、モスクでお祈りの時間があって、その時間になると「アザーン」という「お祈りに来てください」という呼びかけが街に響きます。それがなんとも神秘的です。フランスの文化は色濃くて、現在も多くのフランスのデザイナーたちがモロッコに別荘をもっています。

かれん イヴ・サンローランの元別荘だったマジョレル庭園もとても素敵なところでした。真樹さんは、本当にすみずみまで旅をしながら、産地で商品を買い付けされていて、モロッコへの深い愛情を感じます。
Jardin Majorelle ⒸFatima Morocco
大原 物はマラケシュに集まってくるのですが、産地を聞いて、行ってみたくなるんですよね。イスラム教の社会では男女が一緒に働くことはなく、旅人だと女性の職場にも中の中までは入っていけない。もちろん顔も見せてもらえないのですが、それでもこういう場所でこういう人たちがつくっているんだなと空気を感じるだけでもいいと思っていて。

かれん イスラムの風習や文化は独特ですよね。他人に褒められると邪気がつくと思われているので、たとえば「奥さんきれいですね」などと気軽に褒めてはいけないし。家も外観はシャビーに見せて、中に入ると豪華だったり…。仕事をされていると文化の違いを感じることも多いのでは?
バスケットの工房にて ⒸFatima Morocco
大原 モロッコは一夫多妻制の国で、5人の妻までもつことができるのですが、それぞれの妻を、家も車も子供の数も、同じ条件で面倒見なければならないので、お金持ちじゃないと多妻を維持できません。それで、簡単に離婚するんですよ。だから路頭に迷う女の人が多くて、そういう女性たちが工芸品をつくっています。私の工房にも訳ありの女性たちがたくさん働いています。ダメな男の人に虐げられているよりも、働いて自立したほうがいい。自分で稼ぐよろこびを知っている女性は、再婚せずに、自分の力で子供を育てることできます。

かれん モロッコのダメンズたちに翻弄される女性がたくさんいるのですね…。

大原 ダメンズたちは、新しい嫁をもらうために、妻も子供も捨てちゃうんですよ。でも、訳あり女たちも元気で力強く生きている。ちょうど今、『モロッコ 彼女たちの朝』という映画が公開中ですが、現代のモロッコの女性たちを描いた、リアルでいい映画でした。

かれん 観てみたいです。モロッコで真樹さんが運営されているのはどのような工房なのですか?

大原 バブーシュの工房とカゴの工房です。イスラム社会はバブーシュだと男性が裁断したものを工房に運んで、女性たちが刺繍を施し、男性がミシンで成型。完成したものを女性たちが検品します。
カゴも男性から仕入れて、工房で女性たちが刺繍をします。
バブーシュの工房にて ⒸFatima Morocco
バスケットの工房にて ⒸFatima Morocco
かれん スークのお店で物を買うときには、おじさんたちとの交渉が必要ですしね。絨毯を見たいと思っても、「よく来たね。まずは、お茶を飲もうよ」と言われて、コミュニケーションをしながら交渉しなければなりません。私は、せっかちなので、お茶はいいから、早く見せてと思ってしまいますが…(笑)。
大原 わかります。私も決断が早いので有名なのですが、かれんさんも早い! かれんさんの買い付けに一緒に周った現地のスタッフが、「真樹さんがいちばん早いと思っていたら、もっと早い人が来ました」と言ってました(笑)。

かれん 早くモロッコにまた行けるようになるといいですね。
Fatima Moroccoにて
<後編>につづく・・・
Prifile 大原真樹(Maki Ohara)

東京都生まれ。1991年にアパレル会社へ入社。セレクトショップの店長を経て事業部バイヤー就任。16店舗の婦人服雑貨バイヤーとして毎年数回パリ・ミラノ・ロンドンへ買い付けを担当。
その後、スタイリストとして独立。フリーランスとして、女優や歌手を中心とした雑誌、CM、映画、ミュージックビデオのスタイリングに携わる。セレクトショップバイヤー時代から興味のあったモロッコを何度も訪れるうちに、その伝統工芸品の魅力に強く惹かれるようになり、「FATIMA(ファティマ)」を立ち上げる。毎年3分の1モロッコに滞在するなか、モロッコでしか採取できない良質な化粧品を日本に伝えたいと想い、2013年にはコスメブランド「fleur de fatima」を立ち上げる。

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【MOVIE “ Essence of Morocco “ 対談・インタビュー】
クリエイティブディレクター桐島かれんが、「モロッコ」の伝統工芸品を扱う Fatima Morocco(ファティマ モロッコ)にお邪魔し、ディレクターである大原真樹さんに、モロッコの魅力やイベントで扱っているアイテムの買い付けエピソードや使い方などを伺いました!
魅惑のモロッコ!素敵な雑貨をご紹介。

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ハウス オブ ロータス 青山店では、8月25日(水)~9月12日(日)の期間、アフリカ大陸に息づく民族文化、 フランスのスタイリッシュなエスプリ、そして神秘的なイスラム文化が混じり合う場所「モロッコ」の伝統工芸品を扱う Fatima Morocco(ファティマ モロッコ)のポップアップ「Essence of Morocco」を開催中。

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【会期】
ハウス オブ ロータス 青山店
8月25日(水)~9月12日(日)