Special Issue

ハウス オブ ロータスでは、12月12日(日) と18日(土)の2日間、伊勢丹新宿店 本館4階コンテンポラリースタイル/プロモーションスペースにて、花と緑のアトリエ〈malta(マルタ)〉の店主 布山瞳さんによるスワッグ作りのワークショップを開催いたします。講師としてお迎えする布山瞳さんに、日々の仕事のこと、花や観葉植物の楽しみかたを教えていただきました。
かれん 布山さんのアトリエは、自然豊かな周辺の街の雰囲気と合い、とても素敵です。布山さんは、いつからお花の世界に入られたのですか?

布山 子供のころから漠然と職人さんのようなものづくりの仕事をしたいとは思っていて、大学を卒業してテレビ番組のお花のディスプレーの仕事を始めたのがはじまりです。その後、表参道のお花屋さんで修業して、ショップディスプレーやファッションショー、ウエディングなどにも携わるようになり、独立したのが12年前。お花は、季節があることがなによりのおもしろさだと感じていて、生活に根づいたお花を届けられたらと思っています。
かれん こんなに素敵なお花屋さんがあると近所の方もうれしいでしょうね。イベントのお仕事をされている都心のお花屋さんは店舗をもっていらっしゃらないところも多いですし、ご自分が生活されている地元にアトリエをつくられたのは、大きな意味があったのではないでしょうか。

布山 はい。コロナ前は、私もイベントなど外の仕事がメインになっていて、イベントがあるときはバタバタとお店を閉めて出かけていたのですが、この2年は、コンスタントにお店を開けることができて、気づきが多かったです。
かれん 布山さんの洗練されたセンスに憧れてこられる方も多いと思います。いつもどのようなお気持ちでフラワーアレンジをつくられていますか?

布山 アレンジするときは、草花を自然に戻すような気持ちでつくっています。自然の野原って、お花だけで咲いていることはないですよね。さまざまな種類があって、さまざまな成長でさまざまな長さがあるものですので、葉っぱの間からお花が出ていたり、さまざまな高さがあったりします。アレンジも、主役のお花があって、脇役のお花もあって、葉っぱも大きいものがあったり、雑草みたいな細かな植物があったり、できるだけ自然に近い状態をイメージしながら組み合わせていきます。
かれん アレンジは、どのようにオーダーされるとつくりやすいものですか?

布山 かれんさんのように、ふだんからお花によく触れ合っている方が、「こういう感じ」とおっしゃる場合はイメージしやすいのですが、お花に慣れていらっしゃらない方が、具体的なお花や色を指定されたり、写真でオーダーされたりすると、実は難しいです。お花は季節がありますし、ちょっと違うだけで全体的な見え方が違ってきます。たとえば、贈られる方がどのような方なのか、どんな服装されていらっしゃる方なのか、また、どのような場所に飾るかをお聞きしたほうが、意外にズレが少ないです。オーダーされるときは、穏やかな雰囲気、情熱な雰囲気…などイメージでおっしゃっていただいたほうが花を選びやすいです。
かれん なるほど。私もお花が好きでよく生けますが、自分でアレンジするのは迷ってしまって難しいと感じています。1種類のお花だけを、たくさんまとめて飾るのが好きです。

布山 それは、まさに、かれんさんぽいですね! 今、お話しをうかがって納得しました。1種類だけたくさん飾るのが似合う方と似合わない方がいらっしゃって、私は、その生け方だとお花に負けちゃいます。スワッグつくりでも感じましたが、かれんさんは潔くてダイナミック。勢いがある生け方が、かれんさんらしいです。
かれん お花の飾り方も個性なのですね。今、私は観葉植物にハマっていて、観葉植物も多くの種類があり、その選び方にも個性が出る気がしています。サボテンのようにあまり水をあげなくてもいい植物が好きな人もいる一方で、私は、どんどん成長していくものが好き。手をかけて成長していくのが見るのが楽しい、見返りがほしい女です(笑)。

布山 わかります(笑)。毎日、成長しているのを確認すると、ますます興味が湧いてきますようね。ヘタッとしていても、世話をするとシャキッとする植物は、育てがいがあります。

かれん 花や観葉植物を飾ったり、世話をしたりするときに便利な道具があったら教えてください。
布山 花瓶は、口がすぼまっているものが、バランスがとりやすいと思います。ピッチャー形のものは花を入れていないときでもかわいいので、おすすめですね。観葉植物に霧吹きで水をあげるときには、クリーニング店で使う業務用の圧力式霧吹きが便利です。

かれん ハサミは“クラフトチョキ”ですか?

布山 はい。クラフト用の万能ハサミは、手軽で便利ですよね。枝も切ることができます。

かれん お花屋さんの仕事は体力勝負ですし、これからの季節は寒さも感じられるはず。毎日、どのようなルーティンでお仕事されていらっしゃいますか?

布山 長年の慣れで寒さにも暑さにも強くなり、鍋のふたは、熱くても素手で開けることができます(笑)。毎週水曜、金曜は、朝4時30分から5時くらいに市場に行き、花の仕入れをします。そのときは、10歳の息子が学校に行く前に帰宅して、朝ごはんを一緒に食べます。その後、お茶を飲んだりひと息ついてお店に。下準備がたくさんあって、開店ギリギリまでスタッフと一緒にお花に水揚げをしたりしています。開店すると、制作をしたり、接客をしたり、イベントがあるときは外でも仕事をしたり。閉店後も水換えをして、片付けをして、翌日の準備をして…という感じですね。
かれん 私は、海外で花を見るのも好きです。布山さんは、もし、世界中どこにでもいけるとしたら、どの国の花を見たいですか?

布山 花ではないのですが、今、リトアニアの森に行きたいですね。友人にリトアニアの写真集を見せてもらって以来、鬱蒼とした森の中を歩いて、木の実を拾ったりするのに憧れています。

かれん いいですね。きっとまた、素敵なスワッグをつくられそうです。
Profile
布山瞳  ふやま・ひとみ

東京・羽根木を拠点とする花と緑のアトリエ〈malta(マルタ)〉の店主 。大学在学中より、ファッションショーの開催、舞台装飾に取り組み、テレビ業界でキャリアをスタート。その後、パリスタイルのアレンジメントを学び、ショップディスプレー、ファッションショー、ウェディングフラワーなどに携わる。2010年独立し「malta」設立。
2017年世田谷区羽根木に店舗をオープン。季節感、色彩、素材の調和を大切に、セオリに―とらわれない新しい花の楽しみ方、花のある暮らしを提案。

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〈malta(マルタ)〉公式instagram≫ こちら
<HOUSE OF LOTUS "WINTER HOLIDAY">
期間: 12月8日(水)~31日(金) 
会場: 伊勢丹新宿店 本館4階コンテンポラリースタイル/プロモーション
問合せ先:03-6709-9803

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