Love of Fashion

残暑お見舞い申し上げます。暑い夏、みなさまいかがお過ごしでしょうか?

私は季節の中でいちばん夏が好き。夏に生まれたからか、暑さには強い夏女です。夏の終わりに虫の声が聞こえてくると、ひと夏の恋が終わるかのように、毎年、寂しい気持ちになっていたのですが、最近は、秋もいいな、と思うようにもなりました。
ハウス オブ ロータスの2022-2023年秋冬のコレクションは「Harvest―ポケットいっぱいの恵み」をテーマに選びました。
この季節の幸福感を、ポケットが付いたアイテムをアイコンにしてお届けいたします。

秋から冬という季節をイメージするとき、私は子供の頃に住んでいた、アメリカのニューヨーク州イースト・ハンプトンの光景を思い出します。
学校の新学期が始まるBack to Schoolの9月、ハロウィンの10月、サンクスギビング(感謝祭)の11月。そして、クリスマスの12月。アメリカの秋から冬はイベントが盛りだくさんです。
暮らしていたのはイースト・ハンプトンの海の近くの森の別荘地で、移りゆく自然の美しさが、なによりも印象的でした。秋は、樹木の葉が赤や黄色に紅葉し、家の周りの森を探検しながら、松ぼっくりやどんぐり、メープルなどの落ち葉は子供にとっては宝物のように思えて、ポケットに入れながら歩いていました。
ポケットがあれば、バッグを持つ必要がなく、両手を振って歩くことができます。自由度が増すポケットがある服が、子供の頃から大好きでした。
大人になってからも、ポケットという存在が好きです。ハンカチやティッシュなど身の回りのものを入れるのはもちろんのこと、寒い日にポケットに手を入れると、温かくてホッとします。そして、モデルという職業柄、ポケットはとても大切なものでもあるのです。
ポケットがある服は、撮影のときに手を入れるだけでポーズが決まり、キャットウォークを歩くときも、ポケットに手を入れると様になって、重宝するのでした。
アメリカの秋は、ラズベリー、ブラックベリー、ブルーベリーなどベリー類をよく見かける季節でもあります。サンクスギビングの料理といえば、ターキーとクランベリーソース、それにパンプキンパイ。
サンクスギビングは、一年の農作物の収穫を感謝する日で、毎年、サンクスギビングとクリスマスは、家族が集います。
収穫といえば、私も去年から家庭菜園で野菜を育てるようになってからは、収穫のよろこびを知りました。苗を植えてうまくいけば1〜2か月後に実が成りますが、天候を気にして、虫や病気を防ぎながらの試行錯誤。収穫できたときは、本当にうれしいです。
今年も春夏の収穫がうまくいったので、そろそろ秋冬の野菜の苗を植えようかと思っています。
冬。イースト・ハンプトンで暮らした年は、記録的な大寒波で大雪が降りました。生まれて初めて雪かきをして、雪だるまをつくって、妹と弟と大騒ぎしたものです。街の中心の池には天然のスケートリンクができて、そこでスケートをするのも冬の楽しみでした。

クリスマス前は、イースト・ハンプトンから3時間ほど電車に乗って、ニューヨークの街にも出かけました。セントラルパークにはスケートリンクができて、ロックフェラーセンターの前には巨大なクリスマスツリーが立つ、毎年恒例のニューヨークのホリデーシーズン。
一番大きなおもちゃ屋さんのシュワルツではクリスマスプレゼントを探す家族たち。
街中がイルミネーションが輝き、歩いていると、お馴染みのクリスマスソング“ Winter Wonderland”が聞こえてきて、幸せな気持ちで胸がいっぱいになったものです。
夏の終わりは寂しいですが、秋から冬の自然や街の美しさが待ち遠しくもあります。
みなさま、どうぞ引き続きよい季節をお過ごしください。

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