Love of Fashion

ハウス オブ ロータスのウエアの多くは、インドで生産しています。ミラーワーク、刺し子、手紬手織りの布・・・そんなインドの手仕事が大好きで、今回もディティールにこだわったウエアを作りました。その手仕事の一部をご紹介いたします。
♦「ゴタパティ」パンツ
「ゴタパティ」とは、北インドのラジャスターン州に古くから伝わる金糸や銀糸を布に縫いつけて装飾する伝統技法。「ゴタ」は金属、「パティ」は紐やテープを意味します。
金糸・銀糸のリボンやレースを使って、幾何学模様や縁起の良い吉祥文様などを華やかに描き、婚礼衣装や祭事衣装にも多く用いられています。イスラム様式の影響を受けた左右対称で連続柄の幾何学模様は、ファッションアイテムだけでなく、インドの宮殿の壁画や窓枠などのインテリアにも使われる美しいデザインです。熟練の職人の手仕事により、文様を下書きした線に合わせて、金糸・銀糸のテープやリボンを針と糸で縫いつけて文様が表されます。
♦「バンダニ」ワンピース
「バンダニ」とは“括る”という意味。布の一部をすくい取り、ひとつひとつ糸で括って、そこに染液が染み込まないようにすることで文様を表す「絞り染め」です。日本にも絞り染めの技法がありますが、インドの絞り染めはインダス文明まで遡る、世界でも最も古い染織技法といわれています。主に西インドのクジャラート州や、その隣の北インドのラジャスターン州が生産地として知られます。かつては、藩主であるマハラジャに仕えたラージプート族が頭に巻くカラフルなターバンにもバンダニが見られました。砂漠から続く黄土色の乾いた土地に暮らす女性たちの色鮮やかなサリーやショールをはじめ、日常着のアイテムや現代版の民族衣装にも幅広く取り入れられています。
♦「ブロックプリント」ワンピース
ハウス オブ ロータスの定番アイテムの一つ、ブロックプリント。以前もご紹介しましたが、図案を彫った版木に一色ずつ染料をつけて、スタンプのように生地に押していく、手作業の染色技術。
たとえば、木の図案であれば、まずは木の輪郭、葉の色、幹や枝の色を、版を変えながら押していきます。複雑なデザインのものでは何十色、つまり何十版も版をつくり、色を載せていくのです。一色ごとに洗って天日干しして色を定着させるため、天候に左右されます。機械では出せない、かすれやにじみ、経年変化も手仕事ならではの贅沢です。