Love of Flowers

小学生のころ、「かれん」という私の名前に担任の先生が「花蓮」と漢字を当ててくれたことから、ロータス=蓮の花を身近に感じるようになりました。泥の中から懸命に茎を伸ばし、美しい花を咲かせる蓮は、仏教の教えの理想像と言われ、アジアの国々を旅していると多くの仏教寺院で蓮の花のお供えを見かけます。
忘れられないのは、スリランカの古都キャンディにある仏歯寺を訪れたときの光景。仏歯寺は仏陀の歯が祀られているお寺なのですが、1日3回行われるプージャ(礼拝)の時間には、毎回、多くの参拝者が祈りを捧げに訪れます。入り口に大きな蓮の花がたくさん売られていて、信者の方々はそれを手にして、仏歯が収められている部屋へと静かに進み、次々と献花台へ捧げるのです。ところせましと並べられ、重ねられていく大量の蓮の花――。奏でられている宗教音楽とお香と花の香りに包まれて、荘厳な雰囲気に圧倒されました。
人々が祈る姿と清らかな蓮の花が重なり合い、今でもその光景を思い出すと心が洗われます。
* * *

仏歯寺(ダラダー・マーリガーワ寺院)
プージャは毎日5:30〜、9:30〜、18:30〜
20000, Sri Dalada Veediya, Kandy
※2017年3月時点の情報です
* * *


写真:仏歯寺がある世界遺産の街、キャンディにあるクラシックなホテルでのくつろぎのひととき。