Love of Flowers

花を生けるときは、潔くダイナミックに、一種類の花だけでたくさん生けるのが好みです。花自体にボリュームがある芍薬や牡丹もゴージャスで好きですが、最近は、アルストロメリアという素朴な花が気に入っています。

小さなユリのような姿をしているこの花は、花屋さんでは店内の端のほうに置かれていることが多く、フラワーアレンジメントでも脇役的な存在。でも、アルストロメリアを一度飾ってみると、その魅力を知ることになるはずです。
花束をいただいたときなど、ほかの花と一緒に花器に生けると、バラや芍薬など主役級の花々が枯れていくなかで、アルストロメリアは、いつまでも強く、美しく、蕾を次々と咲かせていきます。平均2週間ほど花がもち、長い間、花のある風景を愛でることができるのです。

少ない本数では存在が薄いのですが、大きな花器であれば20~30本ほど豊かに生けると迫力が出ます。花びらの一部に縞模様が入っているのが特徴で、ピンクと黄色が混じった花弁や白と黄色が混じった花弁など色彩のグラデーションもエキゾチックで素敵です。
花一種類だけのアレンジの基本は、花器に入れたときに中心の花を高くして、周りの花を少しだけ低めにすること。数種類の花を使うアレンジでは、360°全方位から美しく見えるようにするのは難しいのですが、一種類だけのときは、この基本を守ってバランスを見ながら調整していけば、テーブルの上に置いたときに、どこから見ても華やかに見せることができます。
たくさん束ねて飾れば、力強く華やぐアルストロメリア。アレンジは簡単で、花もちもよく、忙しい日常のなかで、気軽に室内に彩りを与えてくれるおすすめの花です。