Special Issue

今回のウーマンインロータスは、旅先で出合った東欧の刺繍の工芸品を紹介する小さな店を営んでいる、くり山かな子さん。実は、もう20年近く前、私が元麻布の洋館で「ハウス オブ ロータス」を立ち上げたときの創設メンバーのひとりです。新聞の求人欄に出した、たった2行の広告を見てスタッフとなり、お店を運営するのが初めてだった私を心強くサポートしてくれました。
千駄木にある「クリコ」店内。
あるとき、チェコやハンガリーを旅してきたと思ったら、すっかり東欧に魅了されたようで、旅を重ねて、2010年には自身のお店「クリコ」をオープン。彼女がセレクトしたハンガリー、ウクライナ、ルーマニアなどのヴィンテージ刺繍のブラウスやワンピース、雑貨のセンスは抜群で、東欧諸国の文化の豊かさに私も憧れを抱くようになりました。

1. 今、行きたい旅先は?
ボスニア・ヘルツェゴヴィナの北部ボスニア。複数の民族が集まり、ヨーロッパでもない、アジアでもない文化が形成されている場所が気になります。旧ユーゴスラビアという共産主義の時代から内戦があり、長く閉じられてきた文化が、どのように開いてきているのかを、今のうちに見てみたい。


2. 人生に欠かすことができないものは?
旅とお店です。旅を凝縮した場所が「クリコ」という私のお店。昔は出不精で旅をすることが苦手だったのに、東欧と出合って、旅好きになりました。苦手だったもので生業を立てることになったのがおもしろいし、ありがたいと日々思います。

3.好きな食べ物は?
日本のお米。
おすすめのワセリン。可愛いケースに入っていました。
4. いつも持ち歩いてるものは?
ワセリン。手に塗ったり、唇や髪にも塗ったりできるし、靴に塗れば、ちょっとした靴磨きも。5個くらい常備していて、いろんなところに置いたり、持ち歩いたりしています。旅にも重宝しますよ。

5.おしゃれのポイントは?
民族衣装が好きですが、全身を民族衣装にするのではなく、現代のアイテムと合わせてみると取り入れやすいはず。ヴィンテージの刺繍のブラウスをベレー帽と合わせたり、デニムと合わせたり。ファッションって、色も形も、もっと自由でいいと思っているのですが、間口を広げるのはなかなか難しい。古着や刺繍の服も、まずは一着、出合いがあって、そこから扉が開いて、興味をもってくださる方々が増えていけば、うれしいです。


6.次の休日の予定は?
部屋の模様替え。壁に刺繍の布を貼ったりとか。
お店近くの、かなちゃん行きつけのカフェにて。昔話に花が咲きます。
7.人生の転機は?
かれんさんが元麻布の洋館ではじめた「ハウス オブ ロータス」で働いたことと、東欧との出合い。どちらも20代前半のころ。


8.心がけている習慣は?
お米を食べることと発酵食品を食べること。旅先でもキッチンがあれば、日本からお米も持っていって鍋で炊き、お味噌汁はインスタントでいただきます。


9.どんな性格ですか?
自他共に認めるマイペース。人が好きな一匹狼(笑)。
クリコの店内には、キッチュで可愛いものがたくさん!
10.ストレス解消法は?
ストレスと思わない考え方をすること。旅先でも人生でも、ネガティブなことも楽しいと思える角度を探します。それでもストレスが出来たら、寝ます(笑)

11.理想の休日は?
好きな喫茶店に入り浸ることです。日本でも外国でもお茶を飲む場所で好き。道ばたでぼーっと座っていたら怪しい人になってしまうけれど(笑)、カフェは、どれだけぼーっとしてても許されるから。


12.かな子さんにとってのHappiness of lifeとは?
旅先で出合ったモノを並べて人に楽しんでもらう、そんな空間をずっと作っていられたら幸せです。これを持ち帰ってあの人に見せたい!そのワクワク感を忘れずにいられる事です。
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Information
2018年2月24日(土)〜3月19日(月)、「ハウス オブ ロータス 青山店」では、「東欧の民族衣装と雑貨展」を開催します。かな子さんのお店「クリコ」からは、ハンガリー、ルーマニア、ウクライナのヴィンテージ刺繍ブラウスやワンピース他、レトロな雰囲気のバックや飾り布などがお目見えします。
静けさが漂う東欧の街で輝く手刺繍の服や工芸品を、背景の物語や出合ったときのよろこびまで伝えてくれる、かな子さん。とっておきの“旅のカケラのおすそわけ”をたくさん届けてくれました。
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Profile

くりやま・かなこ
1999年頃に旅で行ったチェコ、ハンガリーに魅せられ通い始め、好きが高じて、2010年東京の下町・谷中に東欧民芸雑貨の店をオープン。年に3〜4回は東欧諸国に赴き、買い付けをしている。


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ウーマンインロータス
カットジャガードワンピース(ピンク)¥62,000(+TAX)