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バリでの買い付けの旅の最終日、深夜発のフライトまでの時間を利用してケチャを観に行きました。ケチャとはバリ島に伝わる民俗音楽、舞踊のこと。いつも予定をこなすだけで慌ただしくて、ほとんど観光はできないのですが、今回は空港まで行く途中にあるウルワツ寺院で毎日夕暮れ時にケチャの上演が行われていることを知り、訪れてみることにしたのでした。
ウルワツ寺院は、バリ島南部の半島の断崖絶壁に建ち、インド洋に沈む夕陽が美しいことでも知られる場所です。この日も世界中から訪れた多くの観光客が、まさに日が暮れようとする夕刻、野外につくられた舞台を見下ろす客席に集まりました。
ケチャを演じるのは地元のプチャトゥ村の人々。
上半身裸の男性たちが両手を挙げて「チャッチャッチャッチャ……」と合唱し、シンプルな声の響きが次第に複雑に共鳴し合あうと、舞台の中も客席もちょっとしたトランス状態に包まれていきます。そこにヒンドゥ教の神話のひとつである「ラーマヤナ物語」の姫と王子が登場したり、火を使ったファイヤーダンスが加わったり、一大エンターテインメントとして飽きさせません。

途中にはちょっとしたトークタイムがあって、司会者が世界中の観光客をネタにしたジョークを交えながら、会場を沸かせます。ゆったりとした音楽が流れる芸能鑑賞では睡魔に襲われる私も、今回はまったく退屈せずに楽しめました。

バリから日本行きの飛行機に乗る前に、タイミングが合えば、ぜひおすすめしたいアクティビティです。
公共の交通機関がなく、個人で行くのはむずかしい場所なので、現地ツアーに参加するのがおすすめです。
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Pura Uluwatu
ケチャの上演は毎日18時〜19時。